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終わりなきシリアの惨劇。。。トランプの無計画 [Argentina 2017]

トランプがシリア政府軍基地へぶち込んだ。

いよいよシリア情勢は後始末がつかなくなってしまった。。。
トランプはこの後、いったいどうするつもりだろう??
いや、どんな計画もありはしない。ただミサイルをぶち込んだだけだ。
自分は行動する男だって証明してみせたかっただけだ。議会の承認も得ず、単独で決裁してミサイルをぶち込んだ。

わはははははははははははははははは
何がおかしいかって??(不謹慎なのは承知している。)
だから言ったろ?トランプがロシアと共同歩調を進めるなんて不可能な公約だって。
そんなことはハナッから不可能事だったのだ。
そんなことを期待した世論があったことに呆れたほどだ。
できるはずのないことを彼は公約したのだ。
ロシアと手を組んでシリア問題を解決する?? バカ言っちゃいけない!
彼はシリア情勢について"内戦をしてる"以上のことは知らなかったに違いない(笑)それほどに愚かな男なのだ。
そういう愚かな男を大統領に仕立て上げてしまったさらに愚かな6000万人もの米国国民はその責任を取って欲しいものだ。
投票した者にはそれだけの責任というものがあるべきだ。


さて、だが現実がトランプを笑って済ませられるものでないのは当然だ。

本当にいったいどうするつもりだ??いや、この後いったい何が可能だろう??ということだ。
やるならアサドを暗殺するまでするしかないし、あとの未曾有の混乱と向き合うしかない。
もうミサイルをぶち込んでしまったのだ。それもロシア軍も使用している空軍基地に、だ。もはや後戻りはきかない。。。

シリア内戦はかつて歴史上になかった恐るべきものだ。。。誰にも止められない。。。
レバノン、リベリア、旧ユーゴスラヴィア、コンゴ、スーダン、アフガニスタン、イラク、etcそのどれとも異なるのだ。。。

これまで米国はISISを壊滅させると称して、シリア空爆を行ってきた。だが現実にはISISと反政府ゲリラの区別などある訳もなく(反政府ゲリラたちは状況次第でどことでも手を組んで共闘する訳で、移動先でISISに所属したり、また別の場所ではヌスラ戦線に所属したりといった渡り鳥的なゲリラ兵士だっているだろう)、結局どこを支援しているのかさっぱり分からないような混乱した空爆を行ってきた。
 しかもイラクやアフガニスタン国内では各国のイスラーム原理主義勢力を討伐する為にISISを利用したり、イスラームゲリラの勢力をシリアに向けさせる為に支援したり(敵の敵は味方としたり、敵同士の潰し合いを狙ったり)...といった従来通りの魑魅魍魎たるCIA工作活動を通じて、泥沼のようなカオスに首を突っ込んで、もはやCIA米国本部でも誰によっても統括されず、分断された作戦指示を行う以外にない事態を招いている。
もはや米国は自国がどの勢力を支援しているのか、支援すべきなのか判断できなくなって場当たり的に対処しているに過ぎないのだ。

一方のロシアは親アサド=シリア政府の立場を明確にし、ISISを代表格としながらも、反政府ゲリラならなんでも空爆の対称としてきた。それは反政府ゲリラが勢力を握る、或いは反政府ゲリラの支配下にある地域を殲滅するような過剰な空爆だったが、それが一定の効果をあげたようにも報道された。
ロシアの地域殲滅的空爆によって支配地域の安定を得たシリア政府はISISの弱体化に勢いを借りて、その殲滅作戦を一気に推し進めようと図ったのか、化学兵器の使用に踏み切った模様だ。以前から何度も化学兵器の使用は指摘され、その度に政府軍とゲリラの双方によって罪のなすりつけ合いが行われてきた。今回の事態を再び招いたのも、これまでその罪のなすりつけ合いを見逃してきたからだと思われる。

昨年の8月には、アサドの首根っこを押さえつけるしかないと書いた。
だが先立つどんな計画もないのに、シリア政府にミサイルをぶち込んでしまった以上、アサドの首根っこを抑えられる可能性はほとんどなくなってしまった。もはや米国側には暗殺の2文字しか濃厚な可能性はないと言っていいだろうが、ロシアがついている限り、それは不可能に近い。病死でもしてくれるのを待つしかないほどだ。
あとはロシアがアサドの首根っこを掴んで差し出してくれればいいが、これまでの歴史を見てもそんなことは決して起こり得ない。
じゃあ、いったいこの先、どんな未来がシリアに待ち受けているだろう。。。

このまま硬直化するのは目に見えている。トランプがまたバカげたことを仕出かさなければ、だ。
そこが一番恐れなければならない点だ。
この愚か者のすることは予測がつかない。
それこそロシアに対して脅迫紛いの言葉を吐きかねないからだ。この男のイメージする強きアメリカはそんな程度だからだ。
アメリカ万歳のハリウッド、ヒーロー映画の中にこの男は生きている。。。

 だがこれで少なくとも米国や国際社会がアサドの首根っこを押さえつけることは少なくとも数年は遠のいたと思っていい。。。
もちろん、先に書いたようにこのまま事態は硬直化するというのが相場だ。
相場だがもちろん不安要素はある。それは支持率だ。何をやっても議会や司法に妨害され、就任後ダダ下がりだったトランプの支持率はこんな愚行としか呼べぬシリア空爆でも愚かな国民たちによって高まった。
国防総省はなんとかトランプの暴走を止めようと図るだろうが、それでもトランプが支持率の回復にはこれしかないと固執すれば、少なくとも記者会見などでも暴走は止められない。ロシアも他のヨーロッパ諸国と同様、何を仕出かすか予測不能のトランプのことを一応は恐れてみているから(そんなことはおくびにも出さないけれど)、記者会見での暴言くらい見て見ぬふりをするかも知れない。けれどトランプがそれで調子に乗る可能性は十分に憂慮すべきものがある。

 トランプ降ろしは案外そんなところに起こるのかも知れないが、それはあまりに危険すぎる行為だし、米国にとっては10年掛かっても取り返せないような対ロシア失点となるだろう。

 前にも述べたように、シリアはもはや分割統治以外にない。けれどその為にはどうあってもアサドの首根っこを押さえつけるしかない。だが今のところその主導権は完全にロシアに移ってしまったし、いずれにせよ、それはまだ随分と先もいつとも知れぬ未来の話だ。
シリア国民の悲劇はまだまだ終わらないし、そこで挙げられた呪詛はまた別の悲劇の種を撒くしかない。
 幸い、思ったよりも早くISISの弱体化は進んでいるけれど、それでもISISのようなゲリラ組織が壊滅することはない。ただ地下に潜り、世界に散らばるだけだ。ISISがシリアから表面上姿を消したとしても反政府ゲリラが一本化される訳ではない。紛争の種は尽きないし、国民はその間で弄ばれるだけだ。反政府ゲリラも政府も共に決して人道的ではあり得いし、スパイ狩りも始まる。拷問や虐殺処刑は終わらないし、ゲリラ戦も終わらない。それも政府と最大勢力ヌスラ戦線の間で暫定和平が締結されたとしても...という仮定の話だ。
 逃げ出すしかないシリア国民を欧州が拒否し、追い返そうとするなら、人々はやり切れぬ憎悪をいずれかへ、すなわち欧州へ向けるしかない(なんと言っても逃げ出してきた以上、シリア政府にも反政府ゲリラにも向ける手はないからだ。)それが自らの苦境を救うことにはならないと承知しながらもやり切れぬ憤怒をいったいどうすればいいと言うのだろう?

自分自身がシリア国民であった場合という想像をしたことがあるだろうか??
あなたがもしシリア国民だったら??
それは我々の世界が公けに全世界市民へ問いかけなければならない問いなのだ。。。






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