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日本製品が世界で見かけなくなった当たり前の理由 [Argentina 2017]

日本人は本当に世界を知らない。。。それがすべての根幹だ。
世界を(他者を)自分たちと同じだと(同一視)することの愚かさに気づいていない。
自分たちの特殊さ(=異常さ)にまったく気づかないのは世界を(海外を)知らないからだ。
すべてにおいて自分たちのやり方が正しいとばかりに、製品や商品の開発方向性が日本文化・価値観の押しつけになっている。
ガラパゴスだなどと言って悦に入ってる場合ではない(最初は批判的意味を持って登場したガラパゴスという言葉はすぐに矜持へとすり替えられた。)
長く日本の経済植民地とし、日本的価値観を刷り込んできたアジアを海外市場のモデルと考えるのも同様だ。


なんてバカな記事なんだろ?!
日本製品が世界中で売れなくなったのは、記者が書くような意味での"消費者の需要を掘り起こす、商品開発力を失っていること"でもなんでもない。
この記事で紹介されている(まあ、日本の記事は批評も含めて、すべて御用広告だからダメなんだが)メーカーのようにさらなる新機能や高品質での高価格ラインアップをどんなに頑張ったって、日本国内では売れても、世界市場では一切売れないに決まっている。となると、そもそも記事の書き出しと完全に矛盾している。世界とはまったく関係ない。
ホントにバカなんだろなあ。。。
世界中で日本製品が駆逐されたのは高価格だからだ。他に理由はない。中国製品はとても品質が悪いのは誰もが知っているけれど、それでも安いからそれを買うしかない。日本製品なんて高すぎて売れないというのが理由だ。
日本が完全に忘れているのは、そもそも頭の中にもないのは、世界市場だ。もっと言えば、世界の一般市場だ。
或いは世界の一般市場を日本市場の延長としてしか想像できない海外知らずにある。
海外と言えば、米国と地中海ヨーロッパ、そしてアジアしか想像できない海外知らずだ。

中国製品は安くて悪い。。。
だから日本製品が目指すところは、高くて高品質なのか?? わははははははは
違う、違う!!
すべてのあらゆる分野の日本製品が目指すところは、安くていい商品(高品質)なのだ。
新機能ではなく、基本機能だけでもいいから、可能な限りコストを抑えて、安価な海外市場普及版商品開発に本気を出すことだ。
少し前まで日本企業はそれを無理だと投げ出していた(いまだにその固定観念にあるのだろう。それも海外知らずだからだ)。
中国の人件費は異常に安いから、価格の安さ競争では絶対に勝ち目はない、というのがそれだった。
だが中国の人件費はもう10年以上うなぎ登りだ。
もちろん、安い人件費で賄っているところもあるだろう。けれどそういうところにまともな製品は作れない。
悪い品質の中国製品と雖も世界市場を相手にする中で、少しでもロスを減らそうとすれば、高騰する人件費と向き合わなければならない時代になっている。

これらは一個1万円のイチゴと同じ構造なのだ。
どんなに美味しい一個1万円のイチゴを開発しても世界市場では相手にされない。
そんなこと誰でも分かるのに、日本人だけは一向に分からない。わははははは
そんなことやってるからTPPでも、不関税同盟でも発行したら、日本の農家は窮地に追い込まれる。
もっともバカげているのは1個1万円のイチゴがその解決策だと考えている節があることだ。
前にも書いた通り、日本の農家が取り組まなければならないのは、如何に美味しくて安価なイチゴを大量生産できるか!だ。
それがTPPや不関税同盟から自らを守る唯一の実効的手立てだ。
そしてそういう美味しくて安価で大量に生産したイチゴを輸出に向ける為にさらに一層の努力と開発に取り組むことだ。

家電メーカーにしても同じことだ。
そういう土台があって、新機能、高品質の高価格商品も生きてくるということを完全に失念している。
高いモノだけではどうしようもないのだ。市場シェアがゼロな近いのに高価格バージョンをひたすら開発しても世界中でそんなものが売れる訳がない。
こう言うとAppleばかの取り上げられる。Appleはその創造の独自性からしてスタートでただ一社、唯一無二の新規市場開発者だったのだ。
そのAppleの優位性も、もうすでに過去のモノでしかないことにも気づいていない。今あるのはブランド力だけだ。
いずれ日本企業の二の舞を踏まないとも限らない。
SUMSUNGは低価格の市場シェアを確保しながら、その土壌の上にかつての日本と同じく二番煎じの安価で使用に耐える製品を送り出し、日々その改良に取り組みつつある。

例えば炊飯器はアジアくらいでしか売れないと想像されているに違いない。
中南米の大半の国ではお米は主食であるにも関わらず、いまだにほとんどすべての家庭で安物のお鍋で炊かれている。
レストランなどで電気釜を使っているところも韓国製、米国製だ。まったくダメダメだ。
そもそも日本米ではなく、外米に対応した炊飯器や、中東アフリカ用にお米以外の穀物に対応するような炊飯器だって開発できないことはないだろう。それくらいの切り替え、スイッチひとつで実現してもおかしくはない。キヌア、クスクス、雑穀はもはや世界の健康スタンダードだ(雑穀ボタンがすでにあることくらいは知ってるぞ。笑)。
パン焼き製造機(ホームベーカリー)だって価格や各国事情に適応した製品次第では世界市場で売れる余地はいくらでもある。
全自動の製麺機だって同じだ。パスタからラーメン、うどんまでいろんなタイプのものを安価で開発することも可能だろう。
そういう家庭用の安価な普及品市場を土台に、業務用や高品質高価格専門機まで販路を創り上げるという努力が必要なのだ。
世界中に寿司レストランは気の遠くなるような数がある。
世界中の人々が米を主食のひとつとして認めている。けれど日本の企業も農家もそこにどんなアクションも起こさない。
なんなら扇風機だってそうだ。エアコンだってそうだ。低価格高品質の商品開発はいくらでも市場がある。
最大の課題は高機能・高品質・新機能ではなく、低価格・高品質・基本機能なのだ。

日本ではどんな新商品も宣伝で売る。
それも大きな勘違い、間違いだ。
世界では日本のようになんでもかんでも宣伝して新商品を売るなんてことは不可能だ。
多くの場合、日本のように使い勝手のいい宣伝媒体が存在しないからだ。
共通はネットくらいだ。
海外では、特に第三世界と呼ばれる巨大な成長市場では宣伝なんぞ捨てて掛からねばならない。
宣伝という方法はないと考えてしかるべきだ。
そもそもありとあらゆる商品を宣伝で売ること自体が異常なのだ。
その巨大な宣伝費は価格に反映されるか、或いは本来の利益からカットされ、賃金へとは決して反映されない訳だ。
お菓子や清涼飲料の新製品なんぞどうして必要なのだ??お菓子や清涼飲料の新製品の宣伝など消費者が望んでいるものなのか??
ビールになんで新製品投入が必要なのだ??そんなこと消費者が望んでいるのか??
ウイスキーやスコッチはいつまで宣伝が必要なんだ??
サランラップはいつまで宣伝するんだ?? (クレラップとの競合の為だ。アルミホイルは宣伝されない。笑)
コンビニで新商品が発売される度に宣伝されるのは何かおかしくないか??
すべてのコンビニが新商品の宣伝なんぞやめればいいのだけれどね。わはは
そうやってフランチャイズの利益はどんどん食い荒らされ、食いつくされる。。。本質的に消費者はそんな宣伝なんぞ望んではいない。
前にも書いたように、日本という社会は不必要なもので溢れている。不必要なモノに取り囲まれ、憑りつかれている。。。

その不必要なモノを世界で売れないと嘆くのは、本当にどうかしている。

わたしは何も海外を礼賛している訳ではない。広い海外で市場を獲得しようとするならば、当然海外という社会を知らねばならないと言っているだけだ。それは海外旅行の回数でも、訪れた国の数でもない。出張族の小さな日系コミュニティ社会のことでもない(これが諸悪の根源のひとつでもある)。
海外の市場という巨大なマーケティングについて知ることの必要性だ。
そして日本流を押しつけるのではなく、海外各国の事情にあった商品改定版をより安価に提供して販路を拡大することだ。
中国製より安い必要はない。同じ価格帯なら間違いなく日本製品が上だということはすべての人々に共有されている。(もっともどれが日本製でどれが韓国製、中国製かを見分けることの難しさはある。)
だがマーケティングの基本は、安くていいモノはみんなが欲しがるという、たったそれだけの真実だ。
"いいモノ"の基準はそれぞれの社会のレベルによって異なってくる。新機能・高機能が主たる"いいモノ基準"である国はそれほど多くはないし、少なくとも富裕層と一般庶民の比率に目を向ける勇気さえあるならば(笑)大きな市場とは言えない。
新車は中古車になるまで巨大な自動車市場を獲得しないという恐るべきお笑い草と同じだ。
農作物にブランドがあるのも日本の特殊性だということを知らねばならない。海外でそんなものは巨大なマーケットの中にはまったく存在しない。
高価で美味しい農作物など、10分の1、50分の1で入ってくる海外の安価な農作物の前にはとても太刀打ちできやしない。
あなたが5kg、3千円で購入しているお米の横に、5kgで300円の外米が並んだら?? チリ産やペルー産のお米なら、それほどマズくはない。
アジアにはきっと同じようにマシなお米があるかも知れないし、すぐにそういう展開になるだろう。
違いの分からない連中だってたくさんいるだろう。その価格なら貧困層でもお米だけは食卓に並べられるだろう。日本米とのブレンドが進めば5kg1000円で平然と食べられる程度になるだろう。次第に5kg3000円の日本米は売れなくなるだろう。
イチゴだって200g/100円で店頭に並ぶだろう。多少甘くなくても、子供のいる家庭がそれに手を出すことは十分に想像できる。そのうち味のスタンダードが変化してくるだろう。200g/1000円のイチゴは滅多に買ってもらえなくなる。

"消費者の需要を掘り起こす、商品開発力"なんぞどこにも必要ない。
とにかく安価で提供できるよう普及品をラインに乗せるだけだ。それが唯一の突破口になる。
最新テクノロジーは量産には向いていないという当たり前のことだ。最新テクノロジーの開発はもちろん続ければいい。
けれど最新テクノロジーは毎年のようにすぐに塗り替えられるから量産すべきものではないのだ。そんなこと、この20年間で嫌というほど消費者も含めて知っているはずなのに、まだ目が覚めない。PCからカメラや携帯電話までもうそんなことばかり繰り返して30年にもなるのに、だ。
それは不必要なモノに取り囲まれ、憑りつかれ、宣伝によって"ありもしない購買意欲"を刷り込まれているからだ。洗脳状態だと言っていいだろう。


日本人は本当に世界を知らない。。。それがすべての根幹だ。
それは決して海外旅行の経験や海外在住経験とは関係ない。語学教養ともまったく無関係だ。
日本からただの一度も出たことがなくても、ちゃんと耳目を海外に対して開いていれば理解できるはずのことだ。
世界を知るのに海外に出る必要はないし、逆に言えば、海外に出たところで何一つ世界を知ることなんて出来やしないってことだ。
問題は頭の中にある。世界を知るのを拒否して自らの価値観に閉じこもっている知性の偏り、いや、それを愛国心だなどと正当化しているとすれば根本的知性の欠如にあるとさえ言えるだろう。





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